多胡 輝一
心身ともに健康的で充実した社会実現のためにできること
専門領域
健康情報学,自然言語処理,ヘルスケア,機械学習,人工知能
キーワード
ウェアラブルデバイス,ヘルスケア,睡眠,運動,脈診,Twitter,SNS,話題分析,感情分析,フォロー・フォロワー関係,深層学習,ブロックチェーン,コンピュータと人の相互作用,統計的検定,ビッグデータ,データサイエンスなど
研究紹介
健康データを用いたデータマイニング
日々の生活を質よく過ごすために,健康であることは非常に重要です.ウェアラブルデバイスや情報機器の発展により,自分の健康に関わるデータ(歩数,血圧,心拍数等)を取得することは容易になりました.次の問題としては,そのようなデータをどのようにして活用すればよいか,そこからどのような知見を取り出せるかについて考える必要があります.
従来の研究では,個人を性別や年齢で人を分類するだけのことが多く,生活習慣の違いや個人の病気リスクについてまでは考慮されてきませんでした.そのため,個人が持つ病気を引き起こす潜在的要因まで考慮した異常検知や,生活習慣まで考慮した診断推定などについて,より個人に寄り添った健康サービスを提供するにはどのようにすればよいかについて考えています.
SNSにおける感情分析
健康は,物理的な体だけでなく精神的な心でも重要です.皆さんがよく使うSNSには様々な感情が飛び交っており,それらの投稿は心を映し出す鏡とも見なすことができますし,その文章が他人の感情に影響を与えている可能性もあります.そのため,文章に書かれている感情をうまく数値化することが重要です.
また,言葉が他人の感情以外にもどの程度他の物事に影響を与えているかについても面白さがあります.例えば,極端なネガティブ思考や攻撃的な投稿が多い人は嫌われ,現実と同様にオンライン上の交友関係が減ってしまうでしょう.このように,感情の定量化をうまく行うためにはどうするか,感情がどのように物事に影響を与えているかについて研究を行っています.
研究室の制作物
以下の画像は,オープンキャンパスのために多胡研究室の学生が作成したVR研究室です.仮想空間内でペンを持ったり会話することができ,ただのビデオ会議よりも五感を使ってリアルに近いコミュニケーションが可能です.仮想空間というICT技術を使い没入感や臨場感を高められることは,認知科学と情報科学が融合するとても良い例と言えるでしょう.
研究室の学びと関係が深い進路
ITエンジニア
研究室ではテーマに合わせて開発や実装を行います.プロジェクトを進めるITエンジニアでは,そこで得られたスキルやコミュニケーション能力を活用することができます.
社内SE
IT企業以外でも,会社内のDXの推進や基幹ネットワークの整備などが求められています.研究室での実装や分析を通じて,社内SEとして能力を発揮することができます.
データサイエンティスト
物事の関係性を掴むためには,分析が必要です.研究室ではヘルスケア分析や感情分析を行っており,どのように関係性を明らかにするのかについて学ぶことができます.
卒業研究のテーマ例
GPT-3 を用いたチャットにおける人間と機械の印象差分析
個人活動因子モデルに基づく日常運動へのスクリーンタイムの影響分析
中心性指標を用いた炎上発言者とその反応における種類別特徴分析
ウェアラブルデバイスを用いた睡眠の質に関する生活要因の分析
利便性と手間の関係性に着目したプライバシー意識の調査
Twitter における顔画像を用いたツイートの感情推定
担当講義
情報科学概論
認知情報科学実験1
人工知能基礎2
自然言語処理
過去の担当講義
情報と論理
知識工学
英語で読むICTトピックス